2007年12月14日金曜日

仕上げと構造と見せ方

建築の構造体というのは、そのものを支えるために必要な物で、
目に見える形で設けられることもあれば、壁や天井などで隠されて見えないこともあります。
出来上がったときに、人目に触れるのは仕上げ材です。
住む人やその建物を使う人の満足度は、仕上げ材、その仕上げ材で囲まれた空間の質で決まります。
構造体は、建物を支えるための主役です。建物を支えるという観点からみると、仕上げ材は脇役です。
でも、人目に触れるという点からすると、仕上げ材が主役となり、構造体は脇役となります。
もちろん、構造体がしっかりと見える形のもので、それを見せることによるデザインが考えられている場合もあります。
構造体は、支えるという役割を果たすがために、安定感や安心感を与えることにつながります。
また、実際には安定していても、少し不安定であるかのような印象を与える方法もあります。
さらには、本当の構造材を隠して、仕上げ材があたかも構造体であるかのようなデザインも可能です。そのような場合には、感覚的に、軽々と支えていると見える構造体が実は仕上げ材にすぎず、実際の構造体は、それとは違うものが見えない形で設置されます。

何かプロジェクトを実施するときには、プロジェクトそのものを進行させるためのさまざまな段取りが必要となります。これが構造体にあたります。実際のプロジェクトでは、表向きの結果が現れます。これが仕上げ材にあたります。
この段取りと結果の関係は、構造体と仕上げ材の関係に似ています。
隠すか見せるか、実際には構造体でないものを構造体であるかのように見せるか、などの
さまざまな場合が考えられます。

段取りを見せることで、そのイベントなりプロジェクトの中身を直接みせる方法
段取りを一切見せずに、表面上の姿のみ見せる形で実現させる方法
実際の段取りは見せずに、表向きで段取りに見えるものを演出する方法
いろいろな形が考えられます。

まとめ
建築の構造体にしろ、プロジェクトの段取りにしろ、
本体を支える仕組みというかからくりというようなものは、
すべてを隠す、堂々と見せる、一部見せる、
実際の仕組みは隠しておいて表面上見せるための仕組みめいた形をつくる
というように、さまざまな見せ方があります。
どの見せ方が一番良いかということを常に問いながら、設計や計画を進める必要があります。

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