2007年3月28日水曜日

変わらぬ状況を映すことは難しい?

 地震被害の報道がなされる中で、倒壊した家、倒壊等に伴ってさらに破損したものなどをクローズアップした映像が伝えられます。情報としては、倒壊しなかった部分、倒壊したものとしなかったもの、その周辺の状況など、得たいことがらはたくさんあります。にもかかわらず、変わらなかったものの映像というのはおそらく絵にならず、変わった部分のみを切り取るためだろうと思いますが、報道される映像からは、全体像をうかがい知ることが困難です。衝撃的でない映像によって重要な情報が得られることもあると思うのですが、そのような映像を流すことについては、放送上の意味があまりないのだろと勝手にお察ししています。
 また、ある番組では、キラーパルスなる用語を説明しながら、木造家屋の倒壊の説明をしていました。既存のもので明らかに補強が必要であると思われる建物が倒壊しているように映像からは見受けられ、該当する建物についての耐震補強や建て替えの重要性と、それが困難であったりする現状を捕らえ直して説明すればよい流れだと感じました。しかしながら、何らかの新しい情報を取り出して説明しようという努力をするがために、結局は焦点がずれたような妙な説明をすることになります。そういう内容が広く放送されてしまうことに、目立ったことを伝えないといけない放送業界の宿命めいたものを感じてしまいます。

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